【書評】立ち読みしなさい: 美しいほどシンプルな成功術

苫米地英人さん著、「立ち読みしなさい: 美しいほどシンプルな成功術」を読みました。

認知心理学の視点から、自己実現へのアプローチを記載されています。

そして、苫米地英人さんにぜひ自分の出版社から本を出して欲しいという、担当者の思いも強く感じれる本でした。

多くのビジネス書、成功者の体験にも出てくるような内容を認知心理学の観点から説き明かしており、他の書籍で読んだ内容がこの本でより納得できるものになった感覚があります。

先日電通社員が過労死した事件がありましたが、そういった悲劇を回避できるような考え方だなと思う部分もあり、非常に興味深い内容です。

適度に漫画が挿入されていて、読み手の読みやすさも意識されている良い本でした。

では早速ご紹介します。

コンフォートゾーンとスコトーマ

本書では、主に二つの心理的な働きについて書かれています。

それがコンフォートゾーンとスコトーマです。

コンフォートゾーンとは「心理的に心地の良い場所」を意味し、スコトーマとは「盲点」のことを意味します。

自分自身の『夢』を阻む原因となっているのがこの二つの心理的な働きであると説いています。


コンフォートゾーン

コンフォートゾーンは現在の状況(心地よい状況)のことを指し、そこから変化したがらない状態を引き起こします。

コンフォートゾーンの内容を読んだとき、私がイメージしたのは『人見知りだから、知り合いの居ない空間には行きたくない』というような場面でした。

しかし、単に今の状態から変化して『居心地が悪い』と感じる状態になることに抵抗することではなく

重要なのは、自分にとって良い方向へ変化した場合でもコンフォートゾーンから外れたと感じてしまうことです。



つまり、今の自分がそこらへんにいる『普通の人』だと思っていると、自分が普通だと思う人間から離れてしまうことに違和感を感じて戻ろうとするということです。



その比較として本書に書かれていたエピソードに野球のイチロー選手や、サッカーの本田選手がいました。

二人は、子供の頃からトッププレイヤーになると宣言し、並々ならない努力を続けてきました。

それを多くの人は普通の人ではないと考えると思います。

この二人の選手に憧れて同じように努力しようと考える子供たちも多いと思います。

しかし、コンフォートゾーンが『普通の人』であった場合、イチロー選手がしてきたような努力を自分が行うことは『すごいこと』、つまりコンフォートゾーンの外側であるため、コンフォートゾーンに引き戻され、努力を止めてしまうというのがコンフォートゾーンの欠点であると説明されています。

スコトーマ

スコトーマは盲点と言う意味ですが、「人間は意識したことしか認識できない」つまり「意識していないところは見えない盲点になる」と説明されています。

このスコトーマはコンフォートゾーンとも関係しており、コンフォートゾーン内に目標や夢を設定すると、それがスコトーマとなり、それ以外の選択肢に気づくことができないと言う関係性があります。



このコンフォートゾーンとスコトーマの関係ですが、私は先日の電通社員の過労死にもこの働きが関わっていたような気がしました。

過労死のニュースを聞いて思ったのは、「死ぬほど大変な思いをしてなぜ仕事を続けていたのか?電通に入るほど優秀な成績であったならどこでも転職できたはずなのに」と言うことでした。

でも、もし彼女が電通の管理職になること等、「現在の会社」というコンフォートゾーンの中にだけ見出せる目標を設定していたら

その手段が、社内の誰よりもがんばって働くことだと認識していたら、そこまで無理をして働いてしまっていたのかも知れないのかなと。

「本当に自分がやりたいこと」は、死ぬほど働かなくても叶える方法はあったかもしれないのでは・・・と思いました。


目標や夢を設定することでの利点

様々なビジネス書等に目標を設定することの大切さが説かれていますよね。

本書に説明されていることも、他の成功者の著書などに書かれている事を述べているのですが、ここについても認知心理学的なアプローチなのでしょうか?独特の分析がなされています。

目標はコンフォートゾーンの外側に設定する。

先ほど電通の社員の過労死について触れましたが、コンフォートゾーンの中に目標を設定すると、コンフォートゾーンにスポットを当てることになり、スコトーマが外れなくなってしまうという状況になります。

スコトーマを外すためにもコンフォートゾーンより外側に目標を設定する必要があると説いています。

コンフォートゾーンの外、そしてはるか先に目標を設定することで、俯瞰して物事を判断することができるようになり、気づいていなかったプロセスを見つけられる可能性が上がります。

また、そうやって設定した目標・夢を、よりリアルに描くことが重要です。

他のビジネス書にもよく「目標を紙に書いて見えるところに貼る」なんていうのがありますが、同じことだと言えそうですね。



私も壁に貼るということは実践していたんですが、目標自体がかなりコンフォートゾーンの中のものを設定していました(^_^;)

また、よりリアルと言う点では、目標を文字にしただけだったので、文字だけでなく、叶えた後を想像するようにすることが良いのかなと思います。

実践していきます!

実践していく上でのハードルについても触れています

自分自身に自信を持つ

例えば、『自分自身に自信を持つこと』、これが大切だと説いています。

自信の持ち方について詳細に触れているわけではないですが、意識として私が持っていたいと思った言葉を引用します。

大切なのは人が何と言おうと気にしちゃダメだってことだ!だって人は「今までの自分」しか知らない

こちらは、本書の漫画の中で言われていた内容ですが、漫画の内容も気づきを与えてくれる内容となっています。

今までの自分と、今からの自分が変わるつもりであれば、今までの自分をコンフォートゾーンへ戻そうと人が言う批判的な言葉は聞く必要がないということですね。

私も、行動をしようとした時には、親や友人に「やめたほうが良い」というような事をよく言われたことがあります。

今までの自分と比較して、今から変わろうとしている自分が周りから「どうしちゃったの?」と思われることを恐れて、自分の意思に自信を持つことができないと言うことに対して、言い聞かせたい言葉だなと思いました。

ホメオスタシスによって変われない

ホメオスタシスとはコンフォートゾーンの中に引き戻そうとする力のことを言います。

既に書いてきた内容でも触れていますが、現在の自分から理想の自分に向って動き始めた際には、ホメオスタシスは現在の自分に引き戻そうと働き始めるというのです。

本書に出てきた例えでは、宝くじで大金を当てた人について触れていました。

大金を手にしたのにそのお金は「自分にふさわしくない」と思うホメオスタシスによって人生が転落してしまうケースです。

では、どのようにしてホメオスタシスによってコンフォートゾーンへ戻さないようにするのか。

それは、ホメオスタシスに気づかれない程度の小さなことからはじめ、コンフォートゾーン自体を変えていくことであると説明されています。

これは私が習慣化に取り組む際にも意識をしていることで、習慣できていない状態からいきなり理想的な習慣をいくつも作ろうと思っても結局挫折してしまうため

小さな習慣から行っていき少しづつ習慣を増やしていくようにしています。

これも同じ事ではないかと思います。

まとめ

本書は、自分自身の夢や目標に気付かせること、そして、その目標に向かって進んでいく過程で見えなくなりがちな壁に気づき、回避するための手段を、認知心理学の観点から説明している本です。

これまでにも様々な自己啓発本やビジネス書を読んできましたが、結果的に同じことが述べられていても、以前には気づいていなかった部分を気づかせてくれました。

また、他の書籍で学んだことが、本書籍を読むことでより強化されるような気がしました。

この本を出版したいと強く思い、実現した出版社の担当者さんのコメントの記載されており、自分自身が感動したからこそ、世に送り出したいと考えたのだなと思います。

そして私も、この本をこのタイミングで読めて良かったと思っています。

友人にもすすめましたw

「立ち読みしなさい」というタイトルが、”色々な本を”立ち読みすることで人生を変えるみたいな本なかと思っていたのですが、全く別で、内容とタイトルが合いません。

たぶん、『この本を』立ち読みしなさい!というメッセージなんでしょうね。立ち読みすればちゃんと読みたくなるよ!と。

非常に良い本でした。お勧めします。

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2018年5月16日

 

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