持ち家を持つべきかどうかを考えるきっかけがありまして 色々と調べてみました
僕自身は昔から一軒家の持ち家は持ちたいなと考えていたし、「大人になれば当然持つものだ」というようなイメージをしてました
おそらく自分の実家が持ち家の一軒家だった影響だろうと思います
ただ今回調べてみたところ、持ち家を持つことが一つのステータスのような印象を持つのは、どうやらバブルの時代からテレビのCMやドラマ、また政策など外部要因によって醸成されてきたものであるようでした
経済成長を促進させるために国が個人向けの住宅ローンを貸し付ける制度が開始され、持ち家を持つことがビジネスマンとしてのひとつのゴールというようなイメージ作りがなされてきたようです
バブル期には不動産価格が右肩上がりに上昇しており、持ち家を持つことは資産を築くこととしてステータスになってたわけですね
時代は変わり土地の価格はここ数十年においてむしろ右肩下がりのような状況が続いており、時代は変わってきています
そんな中で持ち家を持つことと賃貸に住み続けること、どちらがにメリットがあるのかについて考えてみようと思います
参考文献
created by Rinker
¥1,700
(2024/11/21 20:20:54時点 Amazon調べ-詳細)
広い視野で考えると持ち家持つデメリットが大きい
結論からいってしまうと「総合的に考えると、賃貸に住み続けるほうが良いのでは」という結果になりました。
賃貸に大きなメリットがあるというよりは、どちらかと言うと持ち家を持つほうのデメリットが大きいという感じです。
ただし、機会損失などの不確実な可能性を考慮するとデメリットが大きいという結果であり、
「個人の気持ち」の部分やこれから挙げるようなデメリットをデメリットと思わないなどそれぞれの価値観があるとおもいますので
最終的には自分や家族の価値観を考慮して決断をして行くべきなのかなと思います。
新築プレミアム
新築物件には実際の資産価値に広告費などの費用がおおよそ2割も上乗せされて販売されているため、 不動産の価値は買った時点で2割安くなります。
つまり3,000万円の物件を購入した場合、購入した途端に600万円値が下がることになります。
中古の場合にはこういった新築プレミアムは無いのですが、日本は新築志向が根強く、2013年の調査だと中古物件を購入した割合は全購入者の14.7%だそうです。
リセールバリューが低い
リセールバリューとは車の販売などで使われている用語で、売却する場合の販売価格のことです。
日本ではこのリセールバリューが低いというのが実情です。
つまり売るときはかなり安くなってしまうということですね。
その理由は、先に述べた新築志向が根強いというのも一つの理由ですが、 日本は雨が多く湿度が高いので劣化しやすいというのがあるようです。
また中古物件の場合耐久性を考慮にされるためローンの借入期間が短くなるというのも購入をためらう一つの理由になっているようですね。
メンテナンス費用がかかる
個人的な印象ですが「持ち家を持ったほうがよい」と考えている人は「老後持ち家を持っていないと家賃の支払いが辛くなる」ということを心配している場合が多いように感じます。
年金生活になった場合に家賃が払えなくなるのでは?ということですが、持ち家をもっていたとしても固定資産税や劣化した持ち家のメンテナンス費用は発生します。
住まいにガタが来た場合、賃貸であれば修繕は自腹を切らなくても済みますし、引っ越すということも比較的簡単にできますが
持ち家の場合にはそういった劣化箇所を自腹で改修して行かなくてはならないため、メンテナンスの必要のある問題が発生した場合に避けられないことも念頭に置く必要があります。
変化に弱い
せっかく持ち家を買ったとしても例えば転居の伴う転勤になってしまった場合にはローンとは別に家賃を払うことになります。
コロナのように大きな危機が発生し収入が激減した場合やリストラにあってしまった場合、怪我や病気などの理由で離職することになってしまった場合など、収入が激減してしまっても住宅ローンをなかったことにはできません
賃貸の場合であれば収入に合わせて安価な物件に移り住むこともできます
また例えば子供がいじめにより転校したいといったケースにも引っ越しを伴う対応は難しくなります
その他震災や津波などで災害にあうこともあるでしょうし
将来自然あふれる田舎の土地で暮らしたいと思考が変わる可能性もあります
将来高齢化が進んでいくことで固定資産税などの負担額が増え家計を圧迫することもありえます(ローンの返済額が苦しくなる)
現在でも子供が独り立ちしガランとした大きな家に夫婦二人だけで進むのは寂しいからと小さな家に住み替える方も増えています
そういった「変化に対応する」ということが持ち家を持つことによって非常に難しくなります。
これが最大のリスクと言えるでしょう。
いざとなっても売れない問題
高齢化社会に伴う持ち家を手放す難しさ
これら変化に弱いということの一番の問題点は持ち家を売りたいと思った時に簡単には売れないという流動性のなさです。
家を売ろうと思ってもローンが残っている場合にローンを全て完済できる金額で売れれば良いですが、そうではない場合には次に住む家賃とローンを並行して払うというような状況も生まれてしまいます
不動産は株などと違い売りたい時にすぐ売れるものではなく買い手が見つからない限り売れないわけです
人気の駅前の物件であれば売りたい時にも値段次第で買い手はすぐ見つかるかもしれませんが
郊外で少し駅から離れた一軒家を買った場合ではそう簡単にとは行かないわけですね。
2025年には65歳以上が日本の人口の30%を占めると言われています
不動産価値の指標となる公示地価のうち、地方の公示価格は2016年度でマイナス0.6%、バブル崩壊後24連続下がっている状態とのこと
今後少子高齢化が進んでいけばいくほど地方の不動産価値はどんどん下がっていくわけで、価格が下がるだけなら良いですが買い手が見つからないのであれば売ること自体ができなくなります
賃貸に住み続けた場合の老後の心配
65歳以降もずっと賃貸で過ごす事になった場合に懸念として「年齢で入居を断られるのでは?」「借りれる家がなくなるのでは?」と考える方もいると思います
しかしその時には少子高齢化が今よりも進んでいることは確実で、高齢化社会では高齢者を客にしないと仕事になりません。
また高齢者リスク(孤独死など)が分散できるようなシステムというのは今後ビジネスになってくる分野と考えられるため、解決するソリューションが提供される可能性は非常に高いと考えられます。
また、現在でも空き家が問題化している状態であり、併せて新設住宅戸数が伸び率で持ち家を上回っている状態という点を考えると、当分の間は「借りれる家がなくなる」 ということは考えにくい状況と言えます。
まとめ
人口減少により、不動産価値の下落がこれからも続くことが予想できる現在において
これまでに記載したような様々なリスクを考慮しても持ち家を持つ方が良いのかについては、「人生にとって何を大切にしたいか」も含めて考えることが重要そうです。
「老後自分の家があると賃貸料払わなくて済むから安心」「毎月の支出が家賃と同じ程度なら自宅の方が資産としてのこるから」という単純な理由で購入するのが一番のリスクだと思いました。
最新情報をお届けします
Twitter でSHIN@nabakari.comをフォローしよう!
Follow @nabakari_shin